microSDカードを買う時に困るのが規格やらスピードクラスが多すぎて何がなんだか分かりにくいこと。
「V10とV30の違いは?」「U1とU3の違いは?」
現状だと4K動画以上を撮影するかで選択肢が分かれてくると思います。
ということでSDカードのインターフェースやらスピードクラスをちゃんと識別出来るように整理してみます。
インターフェース UHS(Ultra-High Speed)
まずはじめにUHSの話。これはSDカードの本体に表記されていることはほぼない。
UHS(Ultra-High Speed)と呼ばれる仕様での最大転送速度。
一般的によく見かけるSDカードはUHS-1が多い。
理論上の最大転送速度 | |
---|---|
UHS-1 | 104MB/s |
UHS-2 | 312MB/s |
UHS-3 | 624MB/s |
紛らわしいのがこれはインターフェースでの最大転送速度ということ。
なので、SDカードを買う時にこのUHSを見て選ぶことはあまりない。
というよりこのインターフェースの規格はあまり気にしなくていい。
さて、どういうことか?
UHSの転送速度は転送モードによって変わる
インターフェースでの転送速度をそのまま受け取ってはいけない。大事なのは「UHS」の転送モード。
UHS-1でいうと、理論上の最大転送速度は104MB/sだが、すべてがそうなわけではない。
UHS-1の転送モードによって最大値は変わってしまう。
最大転送速度 | |
---|---|
SDR12 | 12.5MB/s |
SDR25 | 25MB/s |
SDR50/DDR50 | 50MB/s |
SDR104 | 104MB/s |
転送モードによって最大転送速度は全く違うものになる。
しかし、この転送モードの規格は商品を選ぶ時にあまり参考にならない。
転送モードは記載されていなく、商品説明欄に「最大転送速度XXMB/s」と記載されてることが多い。
なので、最大転送速度を気にするならば転送モードで検索をかけず、実際の商品の説明を見た方がいい。
最大転送速度の例外
一部例外があって、SanDisk Extreme PRO というシリーズのUHS-1が規格を限界突破した170MB/sを誇る。
UHS-2対応の物を買う以外では最速の転送速度だが、カードリーダーも専用を用意しないと速度は出ない。
SDカードのスピードクラスの規格は3つもある
さて、本題はここから。
SDカードの「最低保証速度」を表すのがスピードクラスという規格があります。
最大転送速度がいくら早くても、たまに遅くなる時があったら使い物にならない。
特に動画撮影などは連続して書き込むので最低限必要な転送速度は必須になる。
しかし規格は3つもあり商品名に併記されていることが多い。一つづつ見ていきます。
SDスピードクラス とは
よく見かける「Class10」みたいなものがこれ。マークでいうとこんな感じのマーク。
最低保証速度 | |
---|---|
Class 2 | 2MB/s |
Class 4 | 4MB/s |
Class 6 | 6MB/s |
Class 10 | 10MB/s |
大抵「Class10」と記載されているものが多い。それ以下はあまり見かけない。
また、「C10」などと省略されて表記されている場合もある。
理由は後述しますが4K動画撮影をやろうと思ってるのなら「C10」と表記されているSDカードは辞めたほうがいいです。
4K(100Mbps = 12.5MB/s) と考えると、最低保証速度が10MB/sだとどう見てもオーバーです。
このSDカード 4K記録できますか? / 具体例を挙げて比較してみよう
じゃあどの規格を見ればいいのか。
UHSスピードクラス とは?「U1とU3の違いは?」
UHS-1とUHS-2のインターフェースに対応する製品に使われているのがこのUHSスピードクラス。
スピードクラスが色々あって分かりづらいが、これも最低保証速度を表している。
SDカードに書かれているこんなマークがあると思いますが、
これが「UHSスピードクラス」(これはUHS Class1)」
最低保証速度 | |
---|---|
UHS Class 1 | 10MB/s |
UHS Class 3 | 30MB/s |
「UHS Class 3」に関しては最低保証速度が30MB/sあり、SDスピードクラスのClass 10より3倍の最低保障速度を誇る。
商品説明では省略されて「U1」「 U3」のように表記されていることが多い。Class 1の商品だとU1表記。当然だがU1の方が安い。
4K動画を撮影したいなら前述した通り「UHS Class 1」ではなく 「UHS Class 3」の物を買おう。
ビデオスピードクラス とは「V10とV30の違いは?」
まだスピードクラスの規格は存在します。それがビデオスピードクラス。
SDカードにはこんな表記で書かれている。これはV30。
4Kを超える8Kなどの高画質動画が登場してこのビデオスピードクラスの存在感が出てきました。
最低保証速度 | |
---|---|
V6 | 6MB/s |
V10 | 10MB/s |
V30 | 30MB/s |
V60 | 60MB/s |
V90 | 90MB/s |
規格上最高のV90はなんと最低保証速度が90MB/s。SDスピードクラスのClass 10と比較すると9倍。
現在V90で販売されている商品が一つありますが、普通の用途では全く必要ありません。
この「ビデオスピードクラス」でV30と記載されているのであれば「UHSスピードクラス」もUHS Class 3 と明記されているのでどちらか一方を見れば現状は事足ります。
アプリケーションパフォーマンスクラス
この他にアプリケーションクラスというものもあります。
SDカード本体に「A1」「A2」と書かれているものがそれにあたります。
これはランダムアクセスの最低保証速度の規格になりますが今回は割愛。
基本的にどのクラスも最低保証速度の規格と思えば間違いはない。
SD, SDHC, SDXC, SDUCの違い
一通りこれでスピード規格は見てきました。ここで転送速度は置いておいて番外編として容量を見てみましょう。
マークはこんな感じ。
最大容量 | |
---|---|
SD | 2GB |
SDHC | 32GB |
SDXC | 2TB |
SDUC | 128TB |
よくSDカードと言いいますが、規格としてのSDは最大2GBまで。
SDXCは2TBまでで、SDUCに至っては規格上は128TBまである。すごい。
容量によって呼び方が変わるよ、というだけで特段それ以外の性能が変わるわけではない。
SDカードの全スピードクラスの転送保証速度一覧
ということでまとめです。
SDスピードクラス、UHSスピードクラス、ビデオスピードクラスを合わせた一覧がこちら。
最低保証速度 | |
---|---|
class2 | 2MB/s |
class4 | 4MB/s |
class6 & V6 | 6MB/s |
class8 | 8MB/s |
class10 & U1 & V10 | 10MB/s |
U3 & V30 | 30MB/s |
V60 | 60MB/s |
V90 | 90MB/s |
これを見ればもう最低保証速度で悩むことはなさそう。
よく見る安めのSDカードが「U1&V10」の組み合わせのSDカードだったりしますね。
「U3&V30」は4K動画以上撮影の用途では必須。V60以上はあまり見ませんね。
4K撮影するんですけどSDカードが欲しいです
UHS Class3 or V30 と書かれているSDカードを選べ。
V60、V90はまだまだは必要なシーンは限られるし値段も高い。
4K撮影しないんで普通にSDカードが欲しいです
class10 or UHS Class 1 or V10 と書かれているSDカードを最低限選べ。
まとめ
- SDカードを買うときはまず最大転送速度を見る。
- その後に最低転送保証速度の規格を見る。規格が複数あるが、1つの規格を見れば十分。
参考
わかりやすい UHS-Ⅰ 速度の違い / HSGI DELKIN SHOP
スピードクラス規格/動画撮影のための規格 / SD Association
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